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相続手続きの基礎知識
大阪府で成年後見制度を利用するための手続きと、利用者を支援する自治体の取り組み

大阪府内で、重度の認知症や知的・精神障害を抱えた人のために財産管理を代行する成年後見人を選任するには、大阪家庭裁判所への申し立てが必要となります。そのためには、手数料や報酬などで出費もかさみますので、低所得者の利用が進まないおそれがあります。そこで、府内の各市町村では利用促進のための取り組みを進めています。” />

成年後見制度は、ひとりの社会人としての日常生活を送るための正常な判断が、極めて難しくなった方の財産を保護するための法的な仕組みです。たとえば、認知症にかかった高齢者や、重度の精神障害や知的障害を抱えている方などです。

本人の代わりに財産管理や契約締結などの判断を行う人を、成年後見人と呼びます。特別な資格が必要ありませんので、身近な家族が成年後見人として就任する場合が多いです。しかし、関係性が近すぎて、本人の財産を不正に使い込んだりするリスクが否定しきれませんし、任務に負われて成年後見人自身の生活や仕事が犠牲になるおそれもあります。

成年後見制度の内容は全国共通ですが、この記事では、特に大阪府内における成年後見制度を実効化させるための取り組みや、さまざまなサポート態勢についてお伝えしています。

成年後見を始めたいときは、大阪家庭裁判所に申し立てる

ご家族など身近な人の判断能力が明らかに衰えていて、成年後見の必要が高いと思ったら、家庭裁判所に申し立てて、その正式な審判を受ける必要があります。

大阪家庭裁判所は、府内に3か所あります。

大阪家庭裁判所 本庁(大阪市中央区大手前4-1-13)

大阪家庭裁判所 堺支部(堺市堺区南瓦町2-28)

大阪家庭裁判所 岸和田支部(岸和田市加守町4-27-2)>

本庁が管轄するのは、大阪市全域と、その北部から東部までを取り囲む各自治体(吹田市・枚方市・東大阪市・八尾市など)です。

堺支部が管轄するのは、堺市全域のほか、府の中部にある自治体(高石市・大阪狭山市・富田林市・羽曳野市など)です。

岸和田支部が管轄するのは、岸和田市全域の他、府の南部にある自治体(和泉市・泉佐野市・泉大津市・阪南市など)です。

家庭裁判所の申し立てには、成年後見制度を必要とする本人の戸籍謄本や住民票、心療内科医や精神科医による判断能力の診断書など、添付書類が必要です。

また、成年後見人になろうとする候補者がいれば、その氏名等を書く欄も申立書の中にあります。身近に候補者がいなければ、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するのがいいでしょう。

戸籍謄本の発行や必要となる切手代や収入印紙代などで、合わせて1万円~1万2000円ほどの手数料が必要です。

申し立て後には、裁判所職員が、申立人、成年後見候補者との間で直接の質疑応答を行う「受理面接」という手続きに入ります。この面談によって、成年後見が確かに必要なのかどうか、候補者が成年後見人に就任するにふさわしい人物なのかどうか、成年後見を家族や身近な人が同意しているか、などがチェックされます。

本人は、家庭裁判所の受理面接に出頭する必要はない場合がほとんどです。ただ、申立書に添付した医師の診断書が検討され、成年後見が必要かどうか疑わしい場合には、改めて医師の診断が求められるケースもあります。その場合には、追加で5~7万円の費用がかかります。

成年後見が必要だと正式な審判が出れば、成年後見人は本人に代わって、財産管理や契約締結を行う権限を与えられます。ただし、候補者が成年後見人にふさわしくないと判断されれば、裁判所が別の後見人を指名する場合がありますが、司法書士や弁護士といった法律実務家を候補者として挙げていれば、ふさわしくないと判断されることは、まずないでしょう。

大阪府内の自治体による、成年後見を支援する取り組み

大阪府内の市町村の中には、成年後見の申し立てに必要な手数料などの一部または全部を助成する取り組みを行っているところも多いです(大阪市・吹田市・豊中市・池田市など)。

成年後見申し立て手数料の助成が決まる基準は、生活保護の受給世帯や住民税の非課税世帯など、自治体ごとに異なりますが、基本的には低所得者を対象にしています。助成対象も、家庭裁判所への申し立て手数料だけでなく、司法書士や弁護士に成年後見を依頼したときの報酬まで含まれる場合があります。

また、明らかに成年後見が必要な状況にある方に身寄りがなく、家族や友人などが代わって申し立てる見込みがない場合には、代わって市町村長が申し立てをする仕組みを取り入れている自治体も府内に少なくありません(大阪市・吹田市・箕面市など)。

成年後見制度利用促進研究会

大阪府では、成年後見制度の存在や内容を府民に広く知らせて、重度の認知症や精神・知的障害がある家族を抱える世帯での普及を促進させる取り組みを行う組織を2019年に設立させました。

この成年後見制度利用促進研究会では、府内の自治体で成年後見センターなど中核になる機関の設置や、地域同士で連携するネットワークを構築したりするための支援活動を実施しています。

ボランティアの市民後見人

大阪市などの成年後見支援センターでは、ボランティアで成年後見人に就任する活動を行う市民後見人を養成しています。その養成講座も府が主催して行っていますので、必要な知識やノウハウは身につけています。

もっとも、ボランティアに任せるのは何かと心配だし、気も遣ってしまうと判断なさる方は、はじめから成年後見業務の経験が豊富な行政書士や司法書士や弁護士に依頼するのがおすすめです。