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遺言書作成の基礎知識
遺言書の効力はどこまで?有効範囲や無効になるケースもご紹介

横溝正史の傑作小説「犬神家の一族」では、遺言書の内容を巡って凄惨な相続争いが繰り広げられました。このような相続争いをテーマにしたドラマの影響で「遺言にしておけば何でもそのとおりになる」と考えてしまいがちです。しかし実際には、遺言の効力には有効範囲が定められており、逸脱した内容は法的効力を持ちません。

今回は遺言書の効力について、その範囲や、無効にならないために知っておきたいことをまとめました。この記事で知識を蓄え、希望にそぐわない遺産分配を防ぎましょう。

  • 遺言書の効力

遺言書は大きく6つの法的効力を発揮します。

具体例を交えて、どのような効力を持つのか確認しましょう。

  • 特定の相続人に遺産を多く取得させる

相続人が2人以上いる場合、1人の相続人に対して多めに相続させたいこともあるでしょう。遺言書作成により、配偶者や長男など特定の相続人に遺産のすべてを相続させられます(ただし下記遺留分を必ずご参照ください)。

例:

配偶者がすでに他界しており子どもが3人いるケース

遺言書がなければ、子ども3人に均等に遺産が振り分けられます。

しかし遺言書に「自分に尽くしてくれた長男に財産の1/2を取得させる。残りの1/2を次男と長女で分けるように」と記すことも可能です。

遺言書の遺留分について

  • 法定相続人以外の人に遺産を遺贈できる

内縁の妻やお世話になった人など、法定相続人以外の人に遺産を残したい場合は、必ず遺言書に記しておきましょう。

特に指定がない場合は、民法で定められた「法定相続人」だけが遺産を相続できることになるからです。

例:

前妻亡き後、前妻との子どもと、籍は入れていない事実上の妻がいるケース

何もしなければ、遺産はすべて前妻の子どもに相続されます。

しかし遺言書に遺贈する旨の記述があれば、前妻との子どもだけでなく事実上の妻にも遺産を残せます。

ここで「相続させる」と記してはいけません。無効になる可能性があるためです。「相続」とは、法定相続人に財産を受け継がせることであり、「遺贈」とは、亡くなった人が指定した誰かに財産を受け継がせることを意味します。法定相続人でない誰かに遺産を分けるときは「遺贈」が正しいのです。

  • 遺産を寄付できる

遺産を慈善団体などに寄付することも可能です。

こちらも「遺贈」と記してください。

例:相続人がおらず、赤十字社に遺産のすべてを残したいケース

遺言書がないと、最終的に遺産は全て国のものになります。

寄付したい団体があるのなら、遺言書に遺贈したい旨と内容を書き記しておきましょう。

  • 子どもを認知する

認知していない子どもを、遺言書で認知できます。

認知することで、その子に相続権が発生するケースもあるでしょう。なお遺言書で認知された子どもは、元妻との子どもと同じ割合の相続権が認められます。

例:妻がいるが、別の女性との間に認知していない子どもがいるケース

認知する旨の記載がなければ、戸籍上の子どもの父親は永久に空欄のままです。そして遺産はすべて妻のものになります。

遺言書で子どもを認知すると、子どもの戸籍の父親の欄が埋まります。また子どもは法定相続人となり、民法で定められた相続権が認められます。

  • 遺産分割の時期を遅らせる

自分が亡くなってから5年を超えない範囲で、遺産分割を禁止することができます。

相続人同士が冷静になれる期間を設ける・未成年の相続人が成長するまで時期を遅らせるなどの理由で使用されます。

例:1億円の遺産を5人の相続人で分けるケース

分割時期の記載がない場合、速やかに遺産分割協議が開始されます。金額に目が眩む人も出てくるかもしれません。

一方、遺言書により分割開始を5年後と設定しておくと、普段の生活の中で次第に冷静さを取り戻していくでしょう。

宝くじの高額当選者が不幸になるのは、急に大金が手に入り興奮状態でお金をすぐに使ってしまうからだと言われています。

多額の遺産を残す場合も同様の興奮状態を引き起こす可能性が高いので、冷静になるための期間を設けることは非常に重要なのです。

  • 相続権の剥奪

虐待または侮辱した人に遺産を残したくない場合、その人の相続権を消失させることができます。ただし、第三者から見ても相続権が消失してもやむを得ないと判断できるほどの行為がないと成立しません。

例:生前、日常的に暴力を振るってきた妻のみが相続人のケース

特に記述がなければ、遺産はすべて妻のものになります。

しかし遺言書に日常的な暴力があった事実とその証拠、そして相続権を排除したい旨を書くことで、妻の相続権を剥奪できる可能性があります。このケースでは、遺産はすべて国のものになります。

  • 遺言書の効力がなくなるケースと回避方法

多くの効力を持つ遺言書ですが、無効と判断されてしまうと相続には反映されない可能性が出てきます。

せっかく作成する遺言書です。正しく利用されるように、効力がなくなるケースを前もって知っておきましょう。

  • 作成方法を守っていない

遺言書には4つの形式がありますが、それぞれに定められた作成方法や書き方があります。

たとえば全文を自分で書く「自筆証書遺言」を、パソコンで作成すると無効となります。また公正証書遺言に証人2人の立会いがなかった場合も無効となります。作成前にしっかり確認しておきましょう。

  • 認知症の状態で作成した

認知症を患っている場合は「遺言能力」がなかったとされて無効になる可能性があります。判断能力があることを証明するためには、医師に診断書を書いてもらいましょう。

  • 遺留分を侵害している

一部の法定相続人には「遺留分」という権利が認められています。遺留分とは、最低限の割合で遺産が受け取れる権利のことです。

遺言よりも遺留分が優先されるため、遺言どおりに実行されない可能性があります。作成前に専門家に意見を聞いておきましょう。

  • まとめ

遺言書は多くの効力を有しています。ただし遺言に書けば何でも通るということではありません。希望どおりに相続を行うには、正しい遺言書の書き方や法律を知っておく必要があるのです。大阪で遺言書作成のご相談なら北大阪相続遺言相談窓口では、専門知識の豊富な行政書士が、親身になってご相談を伺います。遺言書作成を考え始めたら、まず一度ご相談ください。