子供のいない夫婦の相続割合とは?できる相続対策やポイントを解説|【大阪の相続相談】相続手続・遺言書作成『北大阪相続遺言相談窓口』

【大阪の相続相談】相続手続・遺言書作成『北大阪相続遺言相談窓口』 > 子供のいない夫婦の相続割合とは?できる相続対策やポイントを解説

子供のいない夫婦の相続割合とは?できる相続対策やポイントを解説

子どもがいない場合、配偶者の取り分は被相続人の親や兄弟姉妹の有無で大きく変わります。親がいれば配偶者は3分の2、兄弟姉妹のみなら4分の3と法定相続分が細かく定められ、思わぬトラブルの火種となります。

本記事では、具体的な相続割合の計算例と、配偶者に確実に財産を残すための遺言・贈与・信託活用術を詳しく紹介します。

子供のいない夫婦の相続割合はどうなるのか

子供のいない夫婦の相続割合はどうなるのか

子供がいない夫婦の場合、相続割合は被相続人の家族構成によって大きく異なります。配偶者以外の法定相続人がいるかどうかが重要なポイントです。次のセクションでは、具体的なケースごとに相続割合を詳しく見ていきます。

配偶者以外に法定相続人がいない場合

子供のいない夫婦の相続割合が論点となる典型例が、配偶者以外に法定相続人がいないパターンです。このケースでは民法900条1号但書により配偶者が唯一の相続人となり、遺産の100%を取得できます。

遺産分割協議は不要で口座凍結解除や不動産名義変更も単独請求できるため、手続きは極めてシンプルです。ただし自筆や公正証書など正式な遺言が存在すれば、その内容が法定相続分に優先し、遺贈分が差し引かれる点に注意が必要です。

さらに、配偶者は1億6,000万円もしくは法定相続分まで相続税が非課税となる配偶者控除を受けられますが、二次相続では遠縁親族が法定相続人となり課税負担が急増するため、生前贈与や生命保険非課税枠、家族信託などの対策を講じることが肝要です。

相続登記の義務化(2024年4月施行)で死亡を知ってから3年以内に登記完了しないと10万円以下の過料が科されるため、戸籍収集や評価証明の取得も含めた一覧スケジュールを生前から準備しておくと安心でしょう。

被相続人の親がいる場合

子供のいない夫婦において、被相続人に親がいる場合の相続割合は、法定相続分に基づいて決まります。

この場合、配偶者は被相続人の財産の3分の2を相続し、残りの3分の1は親が相続することになります。つまり、配偶者が相続する割合は非常に高いものの、親が存在することで相続の取り分が分散されることになります。

具体的には、被相続人が亡くなった際、配偶者はまず法定相続分に従って財産を受け取りますが、親が相続人として存在するため、配偶者が全ての財産を独占することはできません。このため、相続に関するトラブルが発生する可能性もあります。

特に、親との関係が良好でない場合や、親が高齢である場合には、相続に関する意見の相違が生じやすくなります。このような状況を避けるためには、事前に相続についての話し合いを行い、配偶者と親の間での合意形成を図ることが重要です。

また、遺言書を作成することで、配偶者に確実に財産を残す意向を示すことも有効な手段となります。遺言書があれば、法定相続分に関わらず、配偶者に特定の財産を譲ることが可能となりますので、相続時のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

被相続人の兄弟姉妹がいる場合

子供のいない夫婦 相続割合では、被相続人に兄弟姉妹がいる場合、民法900条3号に従い配偶者が遺産の4分の3を取得し、残る4分の1を兄弟姉妹が人数按分で受け取ります。例えば、兄と妹の2人なら各8分の1、兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥姪が代襲相続します。

兄弟姉妹は遺留分が認められていないため、遺言で配偶者に全財産を遺贈すれば法的には実現可能ですが、感情的対立を避けるため遺言執行者が丁寧な説明と形見分けを行うのが望ましいです。

兄弟姉妹側には相続放棄や代償金請求など複数の選択肢があり、手続きを誤ると負債を承継するリスクもあるため、3か月以内の熟慮期間内に家庭裁判所へ放棄申述するかどうか早期判断が必要です。

配偶者が不動産を現金化して代償金を支払う場合、譲渡所得税が発生し得るため、売却時期や取得費加算制度の適用可否も含めた資金計画が不可欠になります。

さらに、2024年4月施行の相続登記義務化により、兄弟姉妹の共有名義を残すと将来の売却や担保設定が困難化するため、代償分割や換価分割で権利関係を整理し、登記完了を目指すことが円滑な資産承継の鍵といえるでしょう。

被相続人の甥や姪がいる場合

子供のいない夫婦の相続割合で甥や姪が関与するのは、被相続人の兄弟姉妹が先に亡くなり、その子が代襲相続人となる場合です。この場合も法定相続分は配偶者4分の3、甥姪が連帯で4分の1であり、人数に応じて均等に分配します。

また、兄弟姉妹同様、甥姪には遺留分が認められていないため、遺言書で配偶者に全財産を遺贈すれば原則実現できますが、代襲相続の事実を知らないまま放棄期限を過ぎると不要な負債まで承継する可能性があります。

さらに、甥姪が未成年や海外在住の場合は特別代理人選任や在外公館での宣誓供述が必要になり、手続きが長期化します。配偶者側は二次相続を見据え、生前贈与や遺言代用信託を活用して甥姪への承継時期と税負担を調整することで、将来の係争リスクと納税資金不足を同時に抑えられます。

なお、甥姪が相続放棄する場合でも法定代理人の同意が必要となることが多く、相続開始後は速やかに家庭裁判所へ確認し、期限内に申述書を提出する段取りを整えることが重要です。

遺言書で配偶者に全て譲ると書かれていた場合

子供のいない夫婦の相続割合を実務で大きく動かすのが「配偶者へ全財産を譲る」という遺言書です。遺言は法定相続より優先するため、兄弟姉妹しか相続人がいないケースでは遺言通り配偶者が100%取得できます。

一方、被相続人の親が存命の場合は、親に遺留分(相続財産の合計1/6=法定相続分1/3の半額)が発生し、配偶者が全財産を受け取ると遺留分侵害額請求を受ける恐れがあります。

親が請求しない場合でも、請求権の時効は1年なので、遺言執行者は早期に意思確認を行い、必要に応じて金銭で弁済する準備が求められます。

兄弟姉妹および甥姪には遺留分がないため、配偶者への全遺贈がそのまま実現しますが、兄弟側には相続放棄を誤認するリスクがあるため、公正証書遺言で理由を明確に説明し、手書きの付言や遺言執行者の立会い動画を残すとトラブル抑止に有効です。

また、遺言と併せて家族信託や生命保険受取人指定を組み合わせることで確実性も高まります。2025年から導入された遺言書保管法のオンライン閲覧制度を利用すれば、相続開始後の遺言検索が迅速化され、金融機関での払戻しや不動産名義変更も短縮されるため、実行コストの削減と負担軽減に役立ちます。

子どものいない夫婦の相続対策とは

子どものいない夫婦の相続対策とは

子どもがいない夫婦にとって、相続対策は特に重要です。配偶者に確実に財産を残すためには、遺言書の作成や生前贈与、生命保険の受取人指定、家族信託の活用など、さまざまな手段があります。

生前に遺言書を作成し残しておく

子供のいない夫婦の相続対策として最優先されるのが、生前に公正証書遺言を作成しておくことです。遺言は民法で法定相続分より優先されるため、配偶者へ全財産を遺贈する意思を明確化すれば、兄弟姉妹や甥姪に分散するリスクを大幅に減らせます。

公証人立会いで作成すれば方式違反や偽造の懸念がなく、原本が公証役場に保管されるため紛失の恐れもありません。2020年からは法務局の自筆証書遺言保管制度も始まり、5,000円の手数料で公的保管が可能になりましたが、検認手続きが不要の公正証書の方が実務負担は軽くなります。

作成時には遺留分のある親への配慮として、一定割合の現金を残すか、付言事項で感謝の言葉を添えると紛争防止に効果的です。遺言執行者を指名し、金融機関や法務局手続きの代理権を付すことで、配偶者が高齢の場合でも手続きが円滑に進みます。

公正証書遺言の作成費用は財産5,000万円の場合で公証人手数料約5万円、証人2名の日当を含めても10万円前後が相場であり、紛争コストと比較すれば十分に低廉です。

財産を配偶者に贈与しておく

子供のいない夫婦にとって、配偶者に財産を贈与することは非常に重要な相続対策の一つです。贈与を行うことで、配偶者が相続時に受け取る財産の割合を増やすことができ、相続トラブルを未然に防ぐことが可能になります。

贈与には、贈与税がかかる場合がありますが、年間110万円までの贈与については非課税となるため、計画的に贈与を行うことで税負担を軽減することができます。また、贈与を通じて配偶者に財産を移転することで、相続時における法定相続分の計算にも影響を与えることができます。

さらに、贈与を行う際には、贈与契約書を作成することが推奨されます。これにより、贈与の事実を明確にし、後々のトラブルを避けることができます。特に、贈与の内容や条件を明記することで、相続時における配偶者の権利を強化することができます。

このように、財産を配偶者に贈与しておくことは、相続対策として非常に有効です。事前に計画を立て、適切な手続きを行うことで、安心して将来を迎えることができるでしょう。

生命保険の受取人を配偶者にしておく

子供のいない夫婦にとって、生命保険は重要な相続対策の一つです。特に、被相続人が亡くなった際に、保険金が配偶者に直接支払われることで、相続手続きがスムーズに進む可能性が高まります。

生命保険の受取人を配偶者に指定することで、相続財産とは別に、迅速に資金を手に入れることができるため、生活費や葬儀費用などの支出に充てることができます。

また、生命保険の受取人を配偶者に設定することは、相続税対策にもなります。生命保険金は、受取人が配偶者の場合、一定の非課税枠が適用されるため、相続税の負担を軽減することが可能です。

ただし、受取人の指定は定期的に見直すことが大切です。特に、結婚や離婚、家族構成の変化があった場合には、受取人の設定を再確認し、必要に応じて変更することをお勧めします。これにより、意図しない相続トラブルを避けることができ、配偶者に確実に財産を残すことができます。

家族信託を利用する

子供のいない夫婦にとって、相続対策の一環として「家族信託」を利用することは非常に有効です。家族信託とは、財産の管理や運用を信頼できる家族に託す仕組みであり、特に配偶者が相続する際のトラブルを未然に防ぐ手段として注目されています。

家族信託を活用することで、被相続人が生前に自分の財産をどのように配分したいかを明確にすることができます。

例えば、配偶者に全ての財産を譲る意向を示しつつ、万が一の事態に備えて他の家族にも配慮した内容にすることが可能です。このように、信託契約を通じて具体的な指示を残すことで、相続時の混乱を避けることができます。

また、家族信託は財産の管理を信託受託者に任せるため、配偶者が相続後に財産を管理する負担を軽減することもできます。特に高齢の配偶者がいる場合、信託受託者が財産を適切に管理し、必要に応じて生活資金を引き出すことができるため、安心感が増します。

さらに、家族信託は相続税対策としても有効です。信託財産は、信託契約に基づいて管理されるため、相続税の課税対象から外れる場合があります。ただし、信託の設計や運用には専門的な知識が必要なため、信頼できる専門家に相談することが重要です。

子供がいない夫婦の相続時のポイントとは

子供がいない夫婦の相続時のポイントとは

子供がいない夫婦の相続においては、いくつかの重要なポイントがあります。これから解説するポイントを踏まえて、子供がいない夫婦の相続をしっかり行えるようにしましょう。

遺言書は法定相続分より優先される

子供のいない夫婦において、相続に関するトラブルを避けるためには、遺言書の作成が非常に重要です。遺言書は、被相続人の意思を明確に示すものであり、法定相続分よりも優先されるため、配偶者に全ての財産を譲る旨を記載することで、相続の際の混乱を防ぐことができます。

法定相続分とは、法律で定められた相続人の取り分のことですが、遺言書が存在する場合、その内容が優先されます。

例えば、配偶者が全ての財産を相続する旨の遺言書があれば、たとえ被相続人の親や兄弟姉妹が存在しても、配偶者はその遺言に従って財産を受け取ることができます。このように、遺言書を作成することで、配偶者の権利を守ることができるのです。

ただし、遺言書には法的な要件があり、適切に作成されていない場合は無効となることもあります。したがって、遺言書を作成する際には、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

また、遺言書の内容は定期的に見直し、必要に応じて更新することも重要です。これにより、被相続人の最新の意向を反映させることができ、相続時のトラブルを未然に防ぐことができます。

遺言があっても遺留分は処分できない

遺言書が存在する場合、被相続人の意思が尊重されることが一般的ですが、遺留分に関しては別のルールが適用されます。遺留分とは、法定相続人が最低限受け取ることができる財産の割合を指し、配偶者や子供、親などがその対象となります。

たとえ遺言書に配偶者に全ての財産を譲ると記載されていても、遺留分を持つ相続人がいる場合、その遺留分は保護されるため、配偶者が全てを受け取ることはできません。

例えば、配偶者と親が法定相続人である場合、配偶者には遺言書に記載された内容に従って財産が渡る一方で、親には遺留分が認められます。このため、遺言書があっても、親の遺留分を考慮しなければならず、結果として配偶者が受け取る財産が減少する可能性があります。

このように、遺言書があっても遺留分の存在は無視できないため、相続を考える際には、遺言書の作成だけでなく、遺留分についても十分に理解し、適切な対策を講じることが重要です。特に、遺留分を巡るトラブルは相続争いの原因となることが多いため、事前に専門家に相談し、円滑な相続を実現するための準備を進めることが求められます。

生前贈与が遺留分の対象になる

子供のいない夫婦において、相続に関するトラブルを避けるためには、生前贈与の取り扱いについて理解しておくことが重要です。生前贈与とは、被相続人が生きている間に財産を他者に譲渡することを指しますが、これには遺留分という法律上の権利が関わってきます。

遺留分とは、法定相続人が最低限受け取ることができる財産の割合を指し、配偶者や親、兄弟姉妹がその対象となります。生前贈与が行われた場合、その贈与された財産も遺留分の計算に含まれるため、注意が必要です。

例えば、配偶者が生前に多額の財産を贈与された場合、他の法定相続人がその贈与分を考慮に入れた上で遺留分を請求することができます。

このため、配偶者に財産を贈与する際には、遺留分を考慮した計画的な贈与が求められます。特に、贈与を行うタイミングや金額については、相続人との関係性や将来的なトラブルを避けるために慎重に検討することが大切です。

生前贈与を活用する際は、専門家のアドバイスを受けることも一つの手段です。これにより、配偶者が安心して財産を受け取れるような相続対策を講じることが可能となります。

遺産分割協議を円滑に進めていく

子供のいない夫婦において、相続が発生した際には遺産分割協議が必要となります。この協議は、相続人全員が集まり、遺産の分配方法を話し合う重要なプロセスです。

しかし、感情的な対立や意見の不一致が生じることも少なくありません。円滑に進めるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

まず、事前に相続人全員が集まり、相続財産の内容や評価額を確認しておくことが重要です。これにより、各自の取り分についての理解が深まり、無用な誤解を避けることができます。

次に、遺言書が存在する場合は、その内容を尊重することが基本です。遺言書には被相続人の意思が反映されているため、相続人はその内容に従って協議を進めるべきです。ただし、遺言書があっても遺留分の問題が発生することがあるため、注意が必要です。

さらに、専門家の助けを借りることも一つの手段です。弁護士や税理士などの専門家は、法律や税務に関する知識を持っており、円滑な協議をサポートしてくれます。特に、相続税の計算や遺産分割の方法についてアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

あらかじめできる相続対策を行っておく

子供のいない夫婦にとって、相続対策は非常に重要です。相続が発生した際に、配偶者が確実に財産を受け取るためには、事前にしっかりとした対策を講じておく必要があります。

まず、遺言書の作成が挙げられます。遺言書を作成することで、配偶者に全ての財産を譲る意向を明確に示すことができ、法定相続分に関わらず配偶者の取り分を確保することが可能です。

次に、生前贈与も有効な手段です。生前に財産を配偶者に贈与することで、相続時の財産の分配をスムーズにし、相続税の負担を軽減することも期待できます。

また、生命保険の受取人を配偶者に指定しておくことも重要です。これにより、相続が発生した際に迅速に資金を確保でき、生活の安定を図ることができます。

さらに、家族信託を利用することも一つの方法です。信託を設定することで、配偶者が安心して財産を管理できるようにし、相続時のトラブルを未然に防ぐことができます。これらの対策を講じることで、子供のいない夫婦でも安心して相続に臨むことができるでしょう。

まとめ

子供のいない夫婦にとって、相続は非常に重要なテーマです。配偶者の取り分は、被相続人の親や兄弟姉妹の有無によって大きく変わるため、事前にしっかりと理解しておくことが必要です。

法定相続分に基づく取り分の計算や、遺言書の作成、贈与、信託の活用など、相続対策を講じることで、配偶者に確実に財産を残すことが可能になります。

特に、遺言書は法定相続分よりも優先されるため、配偶者に全てを譲る旨を明記することで、相続時のトラブルを未然に防ぐことができます。また、生前贈与や生命保険の受取人指定、家族信託の利用など、さまざまな手段を駆使して、相続対策を行うことが重要です。

相続は一度きりの大切な問題ですので、早めに対策を講じ、安心して将来を迎えられるように準備を進めていきましょう。

大阪府・北摂エリアの全域対応
相続相談・相続手続・遺言書作成、
複雑で面倒な手続きをプロの専門家が迅速に解決
北大阪相続遺言相談窓口

相続手続き・遺言書作成無料相談受付中

サービスについてご不明な点や、ご相談等ございましたらお気軽にお電話ください。
お呼びいただければ、ご訪問させていただきます。
ご予約していただきますと、初回無料でご相談いただけます。