遺言書にかかる費用はどれくらい?種類別の費用と内訳・作成の注意点

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遺言書にかかる費用はどれくらい?種類別の費用と内訳・作成の注意点

遺言書を作成することで、自分の財産を誰にどのような形で残したいのかの意思を遺族に伝えることができます。また、意思表示をすることで遺族間での相続争いを防ぐことにもつながるため、死後に備えて遺言書の作成を検討している方も多いのではないでしょうか。

当記事では、遺言書の作成に必要な費用や内訳について解説しています。専門家に相談する際の費用相場や相談先の選び方についても紹介しているので、遺言書の作成を考えている方はぜひ参考にしてください。

【この記事はこんな方におすすめです】

・遺言書を作成するために必要な費用を知りたい方
・費用を抑えながら遺言書を作成したい方
・確実性の高い遺言書を作成したい方
・遺言書を作成する方法を知りたい方

種類別の遺言書にかかる費用

「遺言書」とは、自分の死後、財産を誰にどのような形で残したいのかの意思表示のために作成する書面のことです。遺言書がある場合は、原則として遺言書の記載通りに相続が行われるので、自分の財産を自分の望む形で相続することができます。相続について遺族間でトラブルになることもあるため、自分の意思を記しておくことは相続争いの防止にも有効です。

家族が多い人や、法定相続人以外の人に相続したい人は、遺言書の作成をおすすめします。

ここでは、遺言書として一般的に用いられる「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の費用について解説します。

関連記事:遺言とは?遺言書の種類やメリット・デメリットを解説!費用や注意点も

自筆証書遺言

自ら作成・保管をするため基本的に費用はかからない遺言書保管制度を利用する場合は1通につき3,900円の手数料が必要

自筆証書遺言とは、被相続人が自筆で作成する遺言です。本人が、遺言書の本文全文・日付・氏名を書面に記し、捺印し、保管も自ら行います。特別な手続きは必要なく、紙とペンと印鑑さえあれば誰でも気軽に作成できるので、最も多く利用されているのが自筆証書遺言です。基本的に費用はかかりません。

ただし、方式が民法で厳格に定められており、そのルールに従った遺言書でないと法的な効力は認められないので、弁護士などの専門家のチェックを受けることをおすすめします。

また、保管も自ら行うため、遺言書の存在に気付いてもらえない場合や、相続人が意図的に破棄・隠ぺいをする場合があります。紛失や隠ぺい、改ざん等のリスクを避けたい方は、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」の利用がおすすめです。1通につき3,900円で遺言書のチェック・保管・管理をしてくれる制度です。本人の死亡が確認されると相続人へ通知がいく仕組みになっています。

(参照:法務省「自筆証書遺言書保管制度」)

公正証書遺言

作成手数料や必要書類の取得費用、証人立会料などが必要作成手数料は相続財産の価額によって異なるが目安は3万円から5万円程度公証人に来てもらう場合は手数料が1.5倍になる交付にも数百円から数千円の手数料が必要

公正証書遺言とは、2人以上の証人が立ち合い、公証人が本人から遺言内容を聞き取りながら作成する遺言のことです。法律の専門家である公証人が作成するため、法的に無効になる可能性はほとんどありません。

また、作成された遺言書は公証役場で保管されるため、遺言内容が書き換えられたり、存在が隠ぺいされる心配もありません。手間や費用はかかりますが、最も確実な方法です。

原則、公証役場で作成を行いますが、本人が公証役場に出向くことが困難な場合は、公証人に来てもらうこともできます。その場合、通常の手数料に50%上乗せされること、公証人の日当や現地までの交通費が別途必要なことに注意が必要です。

遺言書の作成費用の内訳

自筆証書遺言は、自分で作成するため基本的に費用はかかりません。

公正証書遺言は、相続金額によって変動しますが3万円から5万円程度の手数料が必要です。また、手数料以外にも書類の発行や取得に費用がかかるため、ここでは公正証書遺言の作成に必要な費用の内訳を詳しく解説します。

公正証書作成の手数料

公正証書遺言の作成手数料は、相続する財産額によって決められています。

目的の価額手数料
100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下11,000円
500万円を超え1000万円以下17,000円
1000万円を超え3000万円以下23,000円
3000万円を超え5000万円以下29,000円
5000万円を超え1億円以下43,000円
1億円を超え3億円以下4万3,000円に超過額5,000万円までごとに1万3,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下9万5,000円に超過額5,000万円までごとに1万1,000円を加算した額
10億円を超える場合24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額
(参照:日本公証人連合会「12 手数料」

相続財産の総額が1億円以下の場合は、上記に11,000円が加算されます。

病気などで公証役場に行けず公証人に来てもらう場合は、手数料が50%加算されることに加え、公証人の日当と現地までの交通費が発生します。

また、作成した遺言書の原本は公証役場で保管してもらいますが、正本や謄本の交付には、遺言書1枚につき250円の手数料がかかります。

必要書類の費用

遺言書を作成するにあたって必要な書類がいくつかあります。相続内容によって必要書類が変わること、自治体によって値段が異なることがあるので、詳しくは個別にご確認ください。

戸籍謄本(全部事項証明書)1通450円
住民票1通300円から400円 ※市区町村により異なります
印鑑登録証明書1通300円から400円 ※市区町村により異なります
除籍謄本1通750円
登記事項証明書600円(オンラインであれば500円)
固定資産評価証明書1通300円から400円 ※市区町村により異なります

専門家への報酬

遺言書の作成に不安がある方は、弁護士や行政書士、司法書士などの専門家に依頼することができます。報酬金額は事務所により大きく異なりますが、数万円から数十万円です。財産が高額の場合には100万円を超えることもあります。

※関連記事:相続に関する相談ができる場所は?特徴と依頼にかかる費用相場を解説

証人立会料

公正証書遺言を作成する際は、2名以上の証人の立会いが必要です。公証役場で紹介してもらうと1人当たり1万円前後の費用が発生します。ご自身で証人を手配するのであれば費用はかかりませんが、謝礼を支払うことがあります。

遺言書作成にかかる各専門家ごとの費用

遺言書の作成にあたって、専門家に相談する場合があります。専門家によって得意分野や費用は大きく異なるので、事前に相談内容や相談先を決めておくことが大切です。

ここでは、遺言書作成の相談に応じてくれる各専門家の特徴や費用について解説します。

司法書士

得意分野:不動産関係費用相場:5万円から10万円程度

司法書士は、登記手続きの専門家です。相続財産に不動産が含まれている方は、司法書士への相談がおすすめです。

依頼できる内容は、法務局で手続きする書類の相談や遺言書の作成代行、不動産に関する相続手続きなどです。証人として立会いを依頼すると数万円の証人依頼料が発生します。遺言書の作成のみであれば、5万円から10万円が目安です。

弁護士

得意分野:相続トラブル費用相場:15万円から30万円程度(100万円を超える場合もある)

弁護士は、法律の専門家なので信頼度が高く、遺言作成だけにとどまらず相続全般の相談に応じてくれます。相続財産が多い場合や相続したい人が多数いる場合は相続争いが起きる可能性が高いので、トラブル対応に強い弁護士への相談がおすすめです。

弁護士を選ぶ際は、相続関連を得意としている人や相談実績のある人に依頼しましょう。

遺言書の作成のみの依頼であれば15万円から30万円が目安ですが、相続財産が高額の場合は100万円を超える場合があります。

行政書士

得意分野:書類作成費用相場:5万円から10万円程度

行政書士は、書類作成などの事務的な手続きを行う専門家です。他の専門家と比べると依頼できる業務は限定的ですが、相続争いがなく不動産登記も必要ない場合は行政書士への相談がおすすめです。

遺言書の作成のみであれば、費用は5万円から10万円が目安です。相続財産の調査や証人としての立会いを依頼する場合は、別途数万円の費用が発生します。

信託銀行・信託会社

得意分野:遺言書の作成から管理、遺言執行まで総合的に請け負う「遺言信託」費用相場:30万円から100万円程度

信託銀行は、遺言書の作成から保管・遺言執行まで全て一貫して任せられる「遺言信託サービス」を展開しています。遺言書の作成のみを依頼することはできないため、他の専門家より費用は高い傾向があります。

銀行によってサービス内容や費用は異なりますが、30万円から100万円が目安です。プランによっては100万円を超える可能性もあるので、複数の銀行や会社を比較してから選ぶことをおすすめします。

※関連記事:遺言信託は相続トラブルに留意して!サービスが必要な人といらない人を解説

遺言書を作成する際の流れ

自身が所有する財産の把握財産内容を証明できる書類の準備誰に何をどのくらい相続するのかを考える遺言書の作成

大まかな流れは上記の通りですが、遺言書の種類によって作成手順が異なります。

自筆証書遺言であれば、遺言書と別に財産目論見書が必要なので、まずは自らの財産をまとめた一覧表を作成しましょう。財産目論見書は必ずしも自筆である必要はありませんので、パソコンでの作成も可能です。所有財産に不動産が含まれる場合は、登記簿謄本を取得し添付しておきましょう。

公正証書遺言の場合は、下記の手順で作成します。

遺言の相談・作成を依頼する場所を決める

遺言書を作成するためには、自らの財産を正しく把握し、様々な必要書類を集める必要があります。

専門家に相談する場合は、依頼先によって依頼できる内容や費用が異なりますので、複数の事務所に相談に行ってから決めることをおすすめします。専門家を介さずに自ら行う場合は、公証役場の公証人が相談に乗ってくれることがあります。

まずは、どのようにして遺言書の作成を進めるのかを決めましょう。

相続内容の情報や必要資料を提出する

相続人や相続財産を調査した上で相続内容を決定し、公証人に必要書類を提出します。

必要な書類としては、相続内容を証明するもの(登記簿謄本や固定資産剤評価証明書、金融機関の口座など)や住民票、印鑑登録証明書、自らが所有する財産一覧、相続内容(誰に何をどのくらい相続したいのか)を記したメモ等があります。

必要書類の準備は、公証人や専門家と相談しながら余裕を持って行いましょう。

遺言公正証書の案を作成する

提出した必要書類を元に事前に打ち合わせを行い、公証人が公正証書の文案を作成します。本人や専門家と相談しながら修正し、本人の意向に沿ったものが出来れば確定となります。

事前の打ち合わせは必須ではありませんが、当日スムーズに自分の意図に沿った遺言書を作成するためには、事前に打ち合わせし文案を作成しておくことをおすすめします。

遺言公正証書の作成日時を決定する

遺言書の内容が確定したら、実際に公正証書遺言を作成する日時を決めます。公正証書遺言の作成は原則公証役場で行いますので、公証人と相談の上、事前予約を取りましょう。

また、公正証書遺言を作成するためには証人2名の立会いが必要なので、協力してくれる人を探します。相続や遺贈を受ける予定の方と、その配偶者・直系血族、未成年者、公証人の配偶者や四親等内の親族などは証人になることができません。自分で証人を見つけることが難しい場合は、公証役場で手配してもらうことも可能です。

遺言の当日の手続きを済ませる

当日は、予約した日時に証人2名と共に公証役場へ出向き、遺言書を作成します。

まず、公証人と証人の前で、遺言者本人が遺言内容を口頭で伝え、公証人がその内容をまとめます。実際は、本人と公証人で事前打ち合わせをしているので、内容は既に決まっていることが多いです。

次に、公証人が作成した遺言内容を本人と証人の前で読み上げ、内容に間違いがないことを確認してもらいます。内容に誤りがあればその場で修正し、問題なければ遺言者と証人が原本に署名捺印します。

最後に、公証人が公証文言を付記して署名捺印を行ったら、公正証書遺言が完成します。

完成した公正証書遺言の原本は、公証役場で保管されます。正本と謄本を本人が受け取ったら手続きは完了です。

遺言書を作成する際の注意点

遺言書は、作成形式が法律で厳格に定められています。ルールに違反した遺言書は無効になってしまうため、慎重に作成しなければいけません。

ここでは、遺言書を作成する際の注意点について解説します。

遺留分に配慮する

「遺留分」とは、遺産相続において相続人が受け取れる相続割合として民法で保証されている最低限の遺産取得分のことを指します。遺された家族の生活を保障するために定められた権利であり、限られた相続人にのみ遺留分が認められています。

遺留分を無視した内容の遺言を作成することは可能ですが、遺留分権利者は遺留分に相当する金額を相続人に請求することができるため、相続争いを招く原因となります。遺留分を侵害したからといって遺言書自体が無効になることはありませんが、遺留分侵害分は無効になる場合があるため、トラブルを防ぐためにも、遺言書作成時は遺留分に注意しましょう。

※関連記事:遺産相続の遺留分とは?法定相続分との違いや割合・請求方法を解説

専門家に相談する

メリット遺言執行まで一貫して依頼できる煩雑な手続きもスムーズに進められる遺言書が無効になるリスクを抑えられる相続争いを防止できる

遺言書は自分で作成することも可能ですが、より確実に遺言を執行するためには専門家への相談がおすすめです。

遺言作成に必要な資料収集や相続人・相続財産の調査をしてくれるので、煩雑な手続きもスムーズに進めることができます。また、遺言書に少しでも不備があると無効になる可能性があるため、専門家のサポートを受けることで無効になるリスクを大幅におさえることができます。自分の死後、遺族間でのトラブルを防ぐためにも、専門家への相談は有効です。

人によって得意分野が異なりますので、相続内容や相談内容に応じて得意な専門家に依頼しましょう。

※関連記事:遺言書作成の無料相談窓口と各専門家の特徴を解説!

複数の弁護士事務所で見積もりを取る

下記の場合は、弁護士への相談がおすすめです。

  • 生前贈与を受けている
  • 法定相続人以外に相続したい人がいる
  • 所有財産に不動産が含まれている
  • 相続人同士でトラブルになる可能性がある

弁護士費用は、事務所が自由に設定できます。安価で相談できる弁護士もいれば高額な相談費用が発生する弁護士もいるので、複数の弁護士事務所で見積もりを取って比較検討してから決めましょう。

その際、料金だけでなく弁護士の得意分野や実績もチェックし、相続や遺言に関する知識や経験が豊富な弁護士を選ぶと安心です。事務所によっては無料相談を実施している場合があるので、相性が良く信頼できる弁護士を探すことが大切です。

まとめ

自分の希望通りに遺産を相続したい場合や、遺族間でのトラブルを防止したい場合は、死後に備えて遺言書を作成しておくことをおすすめします。

自筆証書遺言は、費用をかけずに作成することができますが、不備があった場合に無効となるリスクが伴う遺言書です。

公正証書遺言は、3万円から5万円程度の手数料がかかりますが、法律の専門家である公証人が作成してくれるので確実性の高い遺言書です。

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