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遺留分とは?対象となる財産や対象外の人について解説!

遺留分は、被相続人の配偶者・子・直系尊属に保障された最低限の相続取り分で、遺言や贈与で著しく取り分が減らされた場合に侵害額請求ができます。

本記事では対象財産と対象外者、請求期限、調停・訴訟の流れ、遺留分対策としての生命保険や家族信託の活用ポイントを紹介し、不公平な遺産分配トラブルを防ぐ視点を提供します。

遺留分とは


遺留分とは、被相続人が遺言や生前贈与で財産を偏在させても、配偶者・子・直系尊属に最低限保障される取り分を確保する民法上の制度です。

権利者は相続開始と侵害を知った日から1年以内に遺留分侵害額請求を行い、不足分を金銭で回復できます。この仕組みは家族間の急激な資産格差と感情的対立を抑制し、被相続人の自由意思と相続人の生活保障を調和させる役割を果たします。

遺留分の対象となる財産とは


遺留分の対象となる財産には、主に遺贈や死因贈与、生前贈与が含まれます。これらの財産は、被相続人が遺言や贈与を通じて特定の人に譲渡した場合でも、遺留分を侵害することがあるため、相続人はその権利を主張することができます。

遺贈する財産


遺贈は遺言で財産を特定人へ無償譲渡する行為で、不動産や預貯金、株式、美術品などが対象です。遺贈額が遺留分を侵害すると受遺者は差額を金銭で返還する義務を負います。

偏った配分を望む場合でも遺留分率を試算し、受遺者の負担能力を確認する姿勢が肝要です。遺留分リスクを下げるには生命保険金や信託商品を組み合わせる手法が有効で、公正証書遺言に遺留分への配慮を付言すると親族間争いの防止に役立ちます。

死因贈与する財産

死因贈与とは、贈与者が死亡した場合にのみ効力を持つ贈与契約のことを指します。この場合、贈与者が生前に特定の財産を特定の相手に贈与する意向を示し、贈与者の死後にその財産が相手に移転します。遺留分の観点から見ると、死因贈与された財産も遺留分の対象となります。

つまり、被相続人の配偶者や子、直系尊属は、死因贈与によって受け取った財産が遺留分を侵害する場合、侵害額請求を行うことができます。

生前贈与した財産


生前贈与とは、被相続人が生存中に特定の人に財産を贈与する行為を指します。この場合、贈与された財産も遺留分の計算に影響を与えることがあります。

具体的には、贈与された財産の価値が遺留分の算定基準に含まれるため、相続人はその分を考慮して遺留分を請求することができます。

ただし、生前贈与が行われた場合でも、贈与の時期や内容によっては、遺留分の侵害が認められないこともあります。特に、贈与が相続人の生活支援を目的としたものであれば、遺留分の計算において特別な配慮がなされることがあります。

遺留分の対象にならない人とは


遺留分の権利は、特定の相続人にのみ認められています。そのため、被相続人の兄弟姉妹や相続放棄をした人、相続廃除された人、相続欠格者は、遺留分の対象外となります。

被相続人の兄弟姉妹


遺留分の制度において、被相続人の兄弟姉妹は対象外となります。つまり、兄弟姉妹は遺留分を請求する権利を持たず、相続において最低限の取り分が保障されることはありません。これは、遺留分が主に配偶者や子、直系尊属に対して設けられているためです。

兄弟姉妹は相続人としての地位は持ちますが、遺留分の保護を受けることができないため、遺言や贈与によって相続財産が大きく変わる場合でも、法的な請求を行うことはできません。

相続放棄した人


相続放棄の申述が家庭裁判所で受理されると、放棄者は初めから相続人でなかったものとみなされ、遺留分請求権も完全に失います。

このため、債務超過を回避する目的で放棄した後に多額の贈与や保険金が判明しても取り分を主張できません。判断前には遺産と負債を概算し、熟慮期間内に専門家へ相談することが不可欠です。

また、放棄は共同相続人へ連鎖的に影響するため、家族内で意思を共有しないと納税負担や手続きが複雑化します。さらに、放棄後も生命保険金や死亡退職金などみなし相続財産は受取可能ですが、非課税枠適用外となる点に注意しましょう。

相続廃除された人


相続廃除とは、被相続人が特定の相続人に対して相続権を剥奪する制度です。これは、相続人が被相続人に対して重大な不正行為を行った場合や、被相続人との関係が著しく悪化した場合に適用されます。

相続廃除された人は、遺留分を請求する権利を持たないため、相続財産の分配において一切の権利を失います。

このため、相続廃除の決定は非常に重要であり、被相続人の意向を反映したものとなります。相続廃除の手続きは、遺言書に明記されることが一般的ですが、法的な手続きが必要な場合もあります。

相続欠格者


相続欠格者とは、法律により相続権を失った人を指します。具体的には、被相続人に対して重大な不正行為を行った場合や、相続人としての資格を欠く行為をした場合に該当します。

例えば、被相続人を殺害したり、故意に遺言を偽造したりした場合、相続権が剥奪されることになります。このような行為は、相続の公平性を損なうため、法律は厳格に対処しています。

それ故、欠格となった者は遺留分請求も特別受益持戻しも行えず、遺産分割協議への参加権も認められません。ただし、欠格者の直系卑属は代襲相続人として権利を承継できるため、家族全体の資産設計を見直す必要があります。

遺留分を請求する流れ


遺留分を請求する際は、いくつかの手順を踏む必要があります。これから解説する手順を正しく踏むことで、遺留分を正しく請求できるでしょう。

相続人を確定し、相続財産を調査する


最初に戸籍類を集め法定相続人を確定し、相続関係説明図を作成します。次いで登記事項証明書、預金残高証明書、証券報告書、保険明細などを収集し、負債や未上場株も含めた財産目録を整備します。

評価額は路線価や類似業種比準価額を用い、遺留分基礎財産を正確に算出します。さらに除斥期間を見据え、郵送照会の遅延を防ぐため工程表を作成し、専門家と共有すると後工程が円滑になります。

当人同士で話し合いをする


遺留分の請求において、まず重要なのは当人同士での話し合いです。相続人間でのコミュニケーションを通じて、遺留分の侵害があったかどうか、また、その具体的な内容について話し合うことが必要です。

この段階では、感情的な対立を避けるために冷静な姿勢を保つことが求められます。話し合いの場を設ける際には、相手の意見を尊重し、互いに理解を深めることが大切です。

もし、話し合いが難航する場合は、第三者を交えた調整を検討することも一つの手段です。円満な解決を目指すために、相続人全員が納得できるような合意形成を心がけましょう。

弁護士に相談する


遺留分に関する問題が発生した場合、専門的な知識を持つ弁護士に相談することが重要です。弁護士は、遺留分の請求手続きや相続人間のトラブル解決において、法律的なアドバイスを提供し、適切な対応をサポートしてくれます。

特に、遺留分侵害額の請求調停や訴訟を行う際には、法律の専門家の助けが不可欠です。弁護士は、相続人の権利を守るための戦略を立て、必要な書類の作成や手続きの代行を行うことができます。

自分たちだけで解決が難しいと判断した場合は、早めから弁護士に相談することも選択肢に入れておきましょう。

家庭裁判所で遺留分侵害額の請求調停を申し立てる


遺留分侵害額の請求調停は、相続人が遺留分を侵害されたと感じた場合に、家庭裁判所に申し立てる手続きです。この調停は、相続人同士の話し合いを促進し、円満な解決を目指すための重要なステップとなります。

申し立てを行うには、まず必要な書類を準備し、家庭裁判所に提出します。調停が開始されると、裁判所の調停委員が間に入って相続人同士の意見を調整し、合意形成を図ります。

調停が成立すれば、合意内容に基づいて遺留分の請求が行われることになりますが、合意に至らない場合は、次のステップとして訴訟に進むことも考慮しなければなりません。

家庭裁判所で遺留分侵害額の請求訴訟を行う


遺留分侵害額の請求訴訟は、家庭裁判所で行われる法的手続きです。この訴訟は、遺留分を侵害された相続人が、適切な取り分を確保するために必要な手段となります。

訴訟を提起するには、まず相続人の確定と相続財産の調査を行い、遺留分の侵害があったことを証明する必要があります。訴訟の流れは、まず家庭裁判所に訴状を提出し、必要な証拠を添付します。

その後、裁判所は相手方に通知を行い、双方の主張を聞くための期日を設定します。裁判では、遺留分の計算や侵害の有無について審理が行われ、最終的には裁判所が判決を下します。

遺留分に関するよくあるトラブルとその対処法


遺留分に関するトラブルは、相続人間の感情的な対立を引き起こすことが多いです。これから解説するトラブルに対しては、早期に専門家に相談し、適切な対処を行うことが重要です。

遺言書による遺産分配配分が偏っている


遺言で特定相続人へ過度な配分がある場合、他の権利者は内容証明で遺留分侵害額を請求し、不応なら調停へ進みます。評価額は相続開始時点の時価で行い、鑑定費用は請求側が立替えるケースが多いです。

遺言者は公平性を確保するため、家族信託併用や保険金分配でバランスを取る策を検討すると安心です。さらに、公正証書遺言の付言事項で遺留分配慮を説明し、執行者を指名して名義変更を迅速化すれば、相続人の納得感が高まります。

一部の相続人へ生前贈与・特別受益が行われていた


特定相続人への高額贈与は特別受益として持戻し加算され、遺留分侵害額算定の基礎に入ります。贈与契約書や振込記録を保存し、他の相続人へ開示すると公平性を担保できます。

教育資金や住宅資金の非課税特例を利用していても遺留分保護が優先されるため、制度併用時はリスクを検討すべきです。早期の家族会議と税理士同席の評価確認でトラブル発生を抑制し、贈与税申告書控えを保管して証拠力を確保しましょう。

請求された遺留分を支払う現金がない


現金不足時は不動産共有持分の譲渡、株式現物交付、分割払合意、公正証書化による期限猶予、金融機関の相続ローンなどが選択肢です。

相手方が同意すれば代物弁済も有効です。合意できないまま滞納すれば遅延損害金や強制執行リスクが高まるため、早期に資金計画を提示し交渉を進めることが重要です。また、納税資金と同時に確保できるよう生命保険を活用すると負担を軽減できます。

まとめ


遺留分は、相続における重要な権利であり、被相続人の配偶者や子、直系尊属に最低限の相続取り分を保障するものです。遺言や贈与によって不公平な分配が行われることを防ぐために、遺留分の理解は欠かせません。

本記事では、遺留分の対象となる財産や対象外の人々、請求の流れなどを詳しく解説しました。これらの知識を活用し、遺産分配に関するトラブルを未然に防ぎましょう。

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