相続時に注意!固定資産評価証明書の取り方とその重要性
「固定資産評価証明書が必要と言われたけれど、どこで手にはいるの?」
「不動産の相続では何をすればよいの。」
相続の手続きは普段なじみがなく、必要な書類や取得方法が分かりづらいものです。
この記事では、不動産の相続を考えている方や、これから手続きを始める方に向けて、
- 固定資産評価証明書とは何か
- どこでどのように取得できるのか
- 相続時に証明書が必要な理由や注意点
上記のポイントについて分かりやすくまとめています。
固定資産評価証明書とは何か
固定資産評価証明書とは何でしょうか。不動産の相続や売買において非常に重要となる書類です。特に相続の場面では、その不動産の評価額を正確に把握するために不可欠であると言えます。相続税の計算や不動産登記の手続きも、この証明書によって手続きが進められます。
固定資産評価証明書には、市区町村が固定資産税の課税基準とする評価額が記載されており、第三者にもその価値を証明できる公的な書類となります。不動産の評価額は、相続人間の分割協議や税務署への申告の際にトラブルを未然に防ぐためにも重要です。
固定資産評価証明書と課税明細書の違い
固定資産評価証明書のほか、課税明細書という書類もあります。どちらも不動産の価値に関する書類ですが、用途や内容が異なります。
相続や登記などの正式な手続きには固定資産評価証明書が必要です。一方、課税明細書は主に固定資産税の納税額を確認するための書類ですが、法的な証明力はありません。
役所や法務局、税務署などで正式な証明として認められるのは固定資産評価証明書のみです。相続や売買の場面では、固定資産評価証明書が必要となります。
証明書の見本とその見方
固定資産評価証明書には、「評価額」や「地目」「地積」といった項目があります。証明書は不動産ごとに作成され、その土地や建物の所在地や面積、評価額などが記載されています。評価額は、毎年市区町村が決めるもので、相続税や不動産登記の計算の基準となる重要な数字です。ちなみにこれは、不動産屋さんなどでみられる一般的な不動産の価格とは異なるものです。
記載事項のうち最も重要なのは、評価額欄です。地目は土地の用途(例:宅地、田、畑)、地積は登記簿上の面積を示します。建物の場合は「種類」「構造」「床面積」なども記載されています。公式な書類であるため、証明書の右上や下部には発行年月日や発行者の印もあります。
相続で固定資産評価証明書が必要な理由
不動産登記における必要性
不動産の相続手続きでは、固定資産評価証明書が必須となります。そして、不動産登記の際にはその土地や建物の評価額を証明する書類として、この証明書を使用します。
登記とは、不動産の所有者が変わったことを法務局に届け出て、正式な記録に残す手続きのことを指します。評価額は固定資産税の計算基準となる金額であり、役所が毎年算出しています。
相続税申告時の添付書類として
相続登記のほか、相続税申告時にも、固定資産評価証明書が必須の添付書類となります。なぜなら、相続税の計算には相続する不動産の評価額が必要であり、その根拠となるのがこの証明書だからです。
固定資産評価証明書には、土地や建物ごとに市区町村が評価した価格が明記されており、この評価額をもとに、税務署は相続税の課税額を決定します。
「課税明細書で手続きができるのでは?」と思ってしまう方もいらっしゃるかと思いますが、相続税の申告には、必ず固定資産評価証明書を用意しなければなりません。証明書がないと、申告が受理されない場合や、余計な手間が増えることもあります。
固定資産評価証明書の取得方法
役所の窓口での取得手順
つぎに、固定資産評価証明書の取得方法についてご説明します。証明書を取得するには、まず市区町村役場や都税事務所など、該当する不動産が所在する自治体の窓口に行く方法があります。本人や相続人であれば、身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)と、固定資産の所在地や地番が分かる資料(登記簿謄本や納税通知書など)を持参すれば、スムーズに取得できます。申請の際の手数料は、1通あたり300円~400円程度が一般的です。参照:固定資産評価(公課)証明書 大阪市ホームページ

郵送での取得方法
窓口のほか、郵送で固定資産評価証明書を取得することもできます。必要な申請書については、市区町村役場のホームページからダウンロードすることができます。して記入します。
次に、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードのコピー)と、手数料分の定額小為替を同封します。本人ではなく、代理人が申請する場合は委任状も必要です。
提出先の住所や手数料については、市町村役場のホームページを確認しましょう。
取得に必要な書類一覧
固定資産評価証明書を取得する際には、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)が必須です。また、相続が関連する場合は、被相続人との関係を証明する戸籍謄本も必要となります。さらに、遺言書がある場合はその写しも必要です。
追加書類として、不動産の所在地や地番が分かる資料(登記簿謄本や固定資産税納税通知書など)も求められることがあります。
取得年度に注意!証明書の選び方
最新年度の証明書を取得する理由
相続の手続きで固定資産評価証明書を取得する際は、最新年度の証明書を用意することが重要です。古い年度の証明書では正確な評価額がわからないため、相続税や登記の手続きでは「現時点での不動産の評価額」が求められます。
役所では、通常4月以降に最新年度の証明書が発行されます。そのため、相続開始日が1月~3月の場合は前年度分を取得することになる場合もあります。取得できる証明書の年度については、あらかじめ役所に問い合わせをしておくと良いでしょう。
相続における固定資産評価証明書に関するQ&A
相続放棄と固定資産評価証明書の関係
相続放棄をした場合でも、固定資産評価証明書が必要になることがあります。「放棄をする場合には必要ないんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、相続放棄を検討している方でも、相続手続きの初期段階で不動産の評価額を把握をすることが必要となるため、証明書の取得を求められることが多いです。相続放棄をするかどうか判断するには、遺産の全体像や不動産の価値を知ることも重要だからです。
よって、相続放棄の申述書を家庭裁判所に提出する際や、他の相続人が手続きを進める場合に、固定資産評価証明書の写しを求められることがあります。
固定資産評価証明書を取得できる人は誰?
固定資産評価証明書を取得できる人は、原則としてその不動産の所有者や相続人、または委任を受けた代理人に限られます。
相続人であることを証明するために、被相続人の戸籍謄本や遺産分割協議書、法定相続情報一覧図などの書類が必要です。代理人が取得する場合には、委任状と本人確認書類が求められます。
まとめ:相続時の固定資産評価証明書取得と注意点
今回は、相続手続きで不安や疑問を感じている方に向けて、
- 固定資産評価証明書の取得方法
- 証明書が必要となる場面や理由
- 手続きで気をつけたいポイント
上記について、解説いたしました。