吹田市で家族信託を行政書士に相談するなら|選ぶ基準と進め方
「親が認知症になったら、実家や預貯金はどうなるのだろう」「家族信託という言葉は聞くけれど、誰に頼めばいいのか分からない」。吹田市で親御さんの財産管理に不安を感じ、家族信託を調べ始めた方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
家族信託は、判断能力があるうちに準備しておく仕組みで、専門家選びが結果を大きく左右します。この記事では、家族信託の仕組みを簡単に整理したうえで、行政書士にできること・できないこと、司法書士や税理士との役割分担、専門家を選ぶ5つの基準、進め方、注意点を解説します。
家族信託とは?認知症対策になる理由を短く整理
仕組みは「委託者・受託者・受益者」の3人
家族信託とは、財産を持つ人(委託者)が、信頼できる家族(受託者)に財産の管理や処分を託し、そこから生じる利益を受ける人(受益者)を決めておく仕組みです。たとえば、親御さんが委託者兼受益者、子どもが受託者になり、親御さんの自宅や預貯金の管理を子どもに任せる、という形がよく見られます。
ポイントは、名義が受託者に移り、受託者が信託契約で決めた範囲で財産を管理・処分できることです。親御さんの判断能力が低下した後も、子どもが契約に基づいて実家を売却したり、施設の費用を預貯金から支払ったりすることが可能になります。
吹田市で相談が多い場面
吹田市では、次のような場面で家族信託が検討されることがあります。
- ご自宅や賃貸物件を、親御さんの判断能力が低下した後も管理・売却できるようにしたい
- 親御さんの施設入所費用を、不動産の売却や預貯金で確実に支払えるようにしたい
- 子どもが遠方に住んでいても、実家の管理を任せられる体制を作りたい
事例で見る家族信託のイメージ
たとえば、吹田市内の自宅で一人暮らしをしている80代の親御さんがいて、子どもは大阪市外に住んでいるとします。親御さんは今は元気ですが、将来、施設に入る可能性があります。そのとき自宅を売却して費用に充てたいと考えても、認知症が進んでいれば、名義が親御さんのままの自宅は、原則として売ることができません。
こうした場合、元気なうちに、自宅と生活費用の預貯金を信託し、子どもを受託者にしておけば、親御さんの判断能力が低下した後も、子どもが信託契約に定めた範囲で、自宅の売却や費用の支払いを進められます。ただし、これはあくまで一般的なイメージです。信託の対象にする財産や、受託者の権限の範囲は、家族の事情に合わせて設計する必要があります。
任意後見との違いは「財産管理の柔軟さ」と「身上監護」
任意後見も、判断能力の低下に備える制度ですが、家族信託とは性質が異なります。家族信託は財産の管理・処分の設計に柔軟性がある一方、施設の入所契約や医療に関する同意といった「身上監護」の部分は、信託の対象になりません。どちらを選ぶか、あるいは併用するかは、状況によって異なります。仕組みの詳しい比較は、別の記事で解説しています。[認知症対策(任意後見・家族信託)についてはこちら]
家族信託は誰に頼める?専門家ごとにできること・できないこと
専門家ごとの役割の比較
家族信託には、契約書の作成、不動産の登記、税金の確認など、複数の手続きが含まれます。専門家ごとの役割は、次の通り整理できます。
| 専門家 | 契約書の作成支援 | 不動産の信託登記 | 税務の相談・申告 | 争いのある案件の代理 |
|---|---|---|---|---|
| 行政書士 | ○(書類作成・相談) | ×(司法書士の業務) | ×(税理士の業務) | ×(弁護士の業務) |
| 司法書士 | ○ | ○ | × | △(一定範囲の簡易な手続きに限る) |
| 税理士 | △(税務面の助言) | × | ○ | × |
| 弁護士 | ○ | △(登記は司法書士と連携することが多い) | △ | ○ |
| 信託銀行 | 商品としての信託(家族信託とは別の仕組み) | - | - | - |
※業務の範囲は各士業の法律に基づく一般的な整理です。個別の案件では、依頼先の説明を確認してください。
行政書士にできること
行政書士は、権利義務に関する書類の作成を業とする専門家です。家族信託では、主に次のような場面で役割を担います。
- 家族の状況、財産の内容、希望を整理するための相談
- 信託契約書の案の作成支援
- 公証役場との日程調整や、公正証書にするための準備
- 家族間の話し合いの整理(争いのない範囲での相談)
行政書士の強みは、家族の事情を丁寧にうかがい、何を、誰に、どこまで任せるかを一緒に整理できる点にあります。信託は設計次第で結果が大きく変わるため、最初の整理が重要です。
行政書士にできないこと
一方で、次の業務は、行政書士にはできません。
- 不動産の信託登記の申請代理:司法書士の業務です
- 税務に関する申告や相談:税理士の業務です(税務代理や税務相談は、税理士でなければ行えません)
- 争いのある案件の代理や交渉:弁護士の業務です
家族信託は、これらがすべて関わることが少なくありません。そのため、行政書士が司法書士や税理士と連携して進められるかが、実務上の大きなポイントになります。
「おすすめの行政書士」を選ぶ5つの基準
「おすすめ」を一言で決めることはできません。次の5つの基準で、複数の専門家を比べてみてください。
① 家族信託の取扱実績と、事例の説明力
家族信託は、法律上の定型がなく、案件ごとに設計が異なります。取扱実績の件数だけでなく、どのような事例で、なぜその設計にしたのかを、分かりやすく説明できるかが重要です。個人情報に配慮したうえで、事例を説明してもらいましょう。
② 司法書士・税理士との連携体制
不動産が信託の対象になる場合は、登記が必要です。また、委託者と受益者が異なる設計では、贈与税など税金の問題が生じる場合があります。登記や税務まで見通して、必要に応じて司法書士や税理士につないでもらえる体制があるかを確認してください。
③ 運用開始後の支援まで説明があるか
家族信託は、契約を結んだら終わりではなく、そこから受託者による管理が始まります。受託者が行う管理の記録の付け方、信託監督人を置くかどうか、受託者の交代が必要になったときの備えなど、契約後の運用について説明があるかを確認しましょう。
④ 費用の内訳が明確か
家族信託の費用は、行政書士の報酬のほか、公正証書にする場合の公証人手数料、不動産の登記にかかる登録免許税と司法書士の報酬、税理士への相談費用など、複数に分かれます。誰に、何の費用が、いつ発生するのかを、見積もりで確認してください。紹介に伴う手数料の有無も、確認しておくと安心です。
⑤ メリットだけでなく、向かないケースも説明してくれるか
家族信託は、すべての家庭に適した制度ではありません。メリットばかりを強調せず、デメリットや、任意後見・遺言など他の選択肢のほうが合うケースについても説明してくれる専門家は、信頼できる傾向にあります。
家族信託の進め方と、行政書士に依頼した場合の流れ
相談前に準備しておくとよい情報
専門家への相談を効率よく進めるため、次の情報を、分かる範囲でまとめておくとスムーズです。
- 信託を検討している財産の一覧(不動産の所在地、預貯金の金融機関、有価証券など)
- 家族構成(親御さん、きょうだい、配偶者、子どもなど)と、それぞれの連絡の取りやすさ
- 親御さんの現在の健康状態と、これまでの病歴の概要
- 家族信託で実現したいこと(自宅を売りたい、賃貸を続けたい、施設費用を確保したい、など)
- 親御さんと家族の間で、すでに話し合っていることがあれば、その内容
すべて揃っていなくても相談は可能です。特に、親御さんご本人の意思が最も重要です。家族だけで話を進めず、ご本人の希望を丁寧に確認したうえで、相談に臨むことをおすすめします。
全体のステップ
| ステップ | 内容 | 主な担当 |
|---|---|---|
| ① 相談 | 悩みや希望をうかがい、家族信託が合うかを確認 | 行政書士など |
| ② 財産と家族の整理 | 財産の一覧、家族関係、誰が受託者になるかを確認 | 行政書士など |
| ③ 信託の設計 | 何を信託し、誰が管理し、誰が受益者になるかを決める | 行政書士など |
| ④ 契約書案の作成 | 信託契約書の案を作成 | 行政書士など |
| ⑤ 公正証書化 | 公証役場で公正証書にする(一般に推奨される方法) | 公証人 |
| ⑥ 登記・口座の準備 | 不動産の信託登記、信託専用の口座の準備 | 司法書士、金融機関 |
| ⑦ 運用開始 | 受託者による管理、記録 | 受託者(家族) |
不動産の登記と、信託口口座の確認
不動産を信託する場合は、名義を受託者に移すとともに、信託の登記が必要になります。この登記は、司法書士が担当します。また、預貯金を信託する場合は、信託専用の「信託口口座」を作ることが多いのですが、取扱いの可否や条件は金融機関ごとに異なります。事前に、利用予定の金融機関へ確認することが大切です。
税金の確認
委託者と受益者が同じ(自分の財産を、自分のために信託する)場合は、信託した時点で贈与税が課されないのが一般的です。一方、委託者と受益者が異なる設計にすると、贈与税などの問題が生じる場合があります。信託の設計と税金は切り離せないため、必要に応じて税理士に確認してください。
家族信託の注意点・向かないケース
受託者の負担と、将来の交代
受託者になる家族は、信託財産の管理や記録、場合によっては税務上の手続きも担います。長期間にわたる負担になるため、受託者になる方が納得していることが前提です。また、受託者自身が高齢になったり、亡くなったりする場合に備えて、次の受託者を誰にするか、あらかじめ決めておくことが重要です。
受託者に課される義務
受託者は、信託された財産を、自分の財産とは分けて管理する義務があります。また、信託の目的に沿って、注意深く財産を管理する義務(善管注意義務)を負い、管理や支出の記録を残しておく必要があります。「家族だから、お金を自由に使ってよい」わけではありません。たとえば、受託者自身の生活費に信託財産を流用すると、信託契約違反となり、家族間のトラブルや、他の相続人との争いにつながりかねません。帳簿のつけ方や、定期的な報告の仕組みを、契約の段階で決めておくことが大切です。
信託が終了したときの財産の行き先
信託契約には、どのような場合に信託が終了するか、終了したときに残った財産を誰が受け取るかを定めておきます。一般的には、親御さんが亡くなったときに信託が終了する設計が多く見られますが、その後の財産の扱い(相続人への承継、特定の人への指定など)は、遺言書とあわせて検討することが一般的です。家族信託と遺言を組み合わせ、生前の管理と死後の承継の両方を整える考え方は、実務でもよく取られています。[遺言書の書き方についてはこちら]
家族間で意見が割れている場合
家族信託は、将来の財産の管理や承継を、契約で決める制度です。兄弟姉妹の間で意見が割れているまま進めると、後でトラブルに発展しかねません。事前に、関係する家族で話し合い、納得を得ておくことが大切です。
遺留分との関係
家族信託で財産の承継先を決めても、法定相続人が持つ遺留分(最低限保障される取り分)が、問題になることがあります。遺留分の扱いは、信託の設計や相続人の状況によって異なるため、専門家に相談して設計することをおすすめします。
すでに判断能力が低下している場合
家族信託は、契約を結ぶ時点で、委託者に十分な判断能力があることが前提です。すでに認知症などで判断能力が低下している場合は、家族信託を組むことは難しく、家庭裁判所が後見人を選ぶ法定後見などが選択肢になります。「まだ大丈夫」と先送りにせず、早めに相談することが重要です。
吹田市で相談するときの窓口の選び方・費用の考え方
連携窓口のメリット
家族信託は、行政書士、司法書士、税理士、場合によっては不動産会社や金融機関と、複数の専門家が関わります。あらかじめ連携している窓口であれば、それぞれを自分で探す手間が省け、全体を見通して相談できます。ただし、登記は司法書士、税務は税理士というように、業務は専門職ごとに分かれています。窓口がすべてを一括で代行するわけではない点は、依頼前に確認してください。[北摂の相続・終活の無料相談についてはこちら]
費用の確認の仕方
家族信託の費用は、専門家ごとに別々に発生します。見積もりをとる際は、「何の費用が、どこまで含まれているか」「追加費用が発生するのはどんな場合か」を、書面で確認してください。信託の内容が複雑になるほど、費用も変わる傾向があります。
【要記入:相談実績の件数、提携している司法書士・税理士・不動産会社の体制、対応エリア、家族信託の相談メニューなどを、貴事務所の実際の内容でご記入ください】
吹田市でも兄弟姉妹が相続人になるケースなどでは、家族信託とあわせて、遺言や相続の整理が必要になることがあります。[吹田の兄弟相続についてはこちら]
よくある質問・まとめ
よくある質問
Q. 家族信託は、行政書士だけで完結しますか? いいえ、完結しない場合が多くあります。不動産が対象なら司法書士による登記が、税金の確認が必要なら税理士の関与が必要です。行政書士が、それらの専門家と連携して進められるかを確認してください。
Q. 家族信託の費用は、いくらくらいですか? 信託する財産の内容や、契約書の複雑さ、登記の有無などによって大きく異なります。複数の専門家から見積もりを取り、内訳を確認してください。
Q. 親がすでに認知症になっている場合でも、家族信託は組めますか? 契約を結ぶ時点で、親御さんに十分な判断能力が必要です。判断能力が低下している場合は、法定後見などを検討することになります。
Q. 信託銀行の商品と、家族信託は何が違いますか? 信託銀行などが取り扱う商品は、事業として信託を引き受けるものです。家族信託は、家族が受託者となる仕組みで、費用や設計の自由度が異なります。
Q. 相談だけでも大丈夫ですか? はい、家族信託が自分の状況に合うか分からない段階でのご相談でも問題ありません。状況を伺いながら、適した選択肢を整理します。
まとめ
家族信託は、判断能力があるうちに、財産の管理を信頼できる家族に託す仕組みです。行政書士は、家族の状況を整理し、契約書の作成を支援する役割を担いますが、登記は司法書士、税務は税理士、争いのある案件は弁護士と、業務の範囲が分かれています。専門家を選ぶときは、実績や説明力、連携体制、費用の内訳、そしてデメリットまで説明してくれるかを確認してください。まずは状況を整理するところから、無料相談などを活用して始めてみてください。


